玄関ドアを大きく開けて

マシュマロ (主婦/兵庫県明石市)

ヒントブックスさん、創業20周年おめでとうございます。

受診する我に付き添うと
寒空に来てくれし人ひたいに汗して

これは、今年2月、病院で点滴を受ける私に付き添うため、自転車で駆けつけて下さった、輝子さんのことを詠んだ短歌です。
8年前、阪神淡路大震災が起った年に、『明日の町へ』の著者としての山田利行さんと奥様の輝子さんにお会いしたのが、ヒントブックスさんとの初めての出会いでした。

突然の訪問にもかかわらず、「どうぞ!」と言って、マンションの玄関ドアを大きく開けて私を迎えてくださった、お二人の包み込むような笑顔を、今でもはっきりと覚えています。

あの日から幾度お訪ねしたことでしょう。山田さんご夫妻だけでなくお子さんの友さん、茅ちゃん、麻ちゃんとも仲良くなりました。山田ファミリーはいつも素敵な笑顔で出迎えてくださいます。玄関のドアを全開にして。

3年前、夫が入院した時のことは忘れられません。

病院に通う私を励ますために、食材持参で私の昼食を作りにきて下さった輝子さん。「これをしっかり食べて、いい顔でご主人のお世話をしてあげてね」と、食卓を整えて下さいました。茅ちゃんと麻ちゃん手作りのケーキを添えて。

山田ファミリーからいただいた温かいお見舞い。おかげさまで夫の看病の日々を、退院の日までいい顔で過ごすことができました。

お会いするたびに「なんて素敵なファミリーなんだろう」と思います。飾り気がなくて誠実で、人の心も、ものも大切になさっている、そしていつも変わらぬ笑顔を見せてくださいます。ホッとします。

本やCDなどを注文する時も、私がいま何故、その本を読みたいと思っているか、その音楽を聴きたいと思っているか、ということまでをも理解していただいている、不思議な安心感があります。

結婚、出産、入学、就職、など折々のお祝いに、何を贈ろうかしらと悩む時、私は山田さんご夫妻にご相談します。山田さんは詳しく状況を聞いて下さって、本でもCDでもおもちゃでも、いつも最適なものを一緒に探して下さいます。私自身の意向を最大に尊重しながら。

お料理や園芸のこと、その他、年を重ねても私には未だにわからないことが多くありますが、どんな疑問にも、優しく丁寧に調べて答えて下さる山田さんご夫妻に心から感謝しています。

ヒントブックス・山田ファミリーの皆さん、これからもよろしくお願いします。


ヒントブックスから、ひとこと

「へー、Fさんのさーがすネーム、マシュマロっていうの。ぴったりやなー。ふわふわっとしてて、やさしくて、柔らかいやん」と妹の麻は感心する。姉の茅は「マシュマロさんのカット、どの花にしようかな?」といいながらベランダに座り込んでいる。

マシユマロさんといえば、ボランティア。朗読や手引き、点字など目の不自由な人に寄り添って、十数年になる。そのときそのとき相手に必要とされることを自分なりに一生懸命してきたかなーという感じとマシユマロさんは言う。

少しぐらい体調がすぐれないときでも、手引きの依頼が来ると不思議に元気になってしまうとか。ちょっと頑張り過ぎてドクターストップがかかってしまった。もうボランティアを止めようかなと悩んだとき、「君からボランティアとったら、何にも残らへんやろ」とおつれあいは後押しをしてくださったという。今は、無理をしないで自分のできる範囲で点字を主にやっているとのこと。

マシユマロさんとは、ローカル線で4駅離れている。

「今、ちょっと明石駅まで来たんだけど、寄ってもいい?」
「今日は、ゆっくりしてるから、どうぞ」と言って、おおあわてで部屋をかたづける。
しばらくすると、「こんにちわー」。

マシユマロさんは、そよ風のようにヒントブックスにやってくる。

こちらこそ、いつもありがとうございます。ずーと、ずーと、よろしくお願いします。

2003.9.3

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