あやとり

 定年後のボランティアで、小学校の〈昔遊び〉にかかわり小道具を大切にしている人に出会った。道具箱に〈あやとり〉をみつけたので、遊んでもらった。そのとき、かつては〈人さし指〉でとっていたものを〈中指〉でとった。そこを指摘すると「今は〈中指〉ですよ!」と返答された。
 遊びの〈かたち〉をまねて〈あやとり遊び〉ができればよいのだろうか。私も実践の際〈人さし指〉で誘導しても、気づけば〈中指〉にもどってしまう。だから、〈むずかしい〉というよりも、無理に近い。指の機能が、昔と今で変わってきているのかもしれない。手指の労働を脳に喩えられることもあるが、そのことを思うと、昔と今の違い、文化・習慣の違い、とはすませられない。しかし、評論で終わらせないで、実践が大事だが、習慣になってしまったものを変えることはむずかしい。

2020.4.16

川をつくる指、親指と〈人さし指〉

1950年 長野県(現在の阿智村)首藤功/編 2016年『道具からみる昔のくらしと子どもたち』農文協 p24──関西では「糸取り」というこのあそびは、平安時代からあって元禄時代に はやり、糸取り用の糸ひもまで作られた。──本書より

アメリカ映画 1988年「愛は霧のかなたに」のシーン。1970年代と思われる。アフリカ、ルワンダ国内。あやとりで山をつくっている。〈人さし指〉をつかっている。

人さし指をつかっていて〈中指〉はつかっていない、ことが見てとれるでしょう。『写真集 子どもたちの昭和史』大月書店 1984年 p17(撮影年、不明)

 元、保育園長に教えてもらって、あやとり。子どもは真似て遊ぶのがじょうずで、糸は〈人さし指〉にかかっているでしょう。

ところで……、下の図をみてください。
──多田千尋 2004年『おばあちゃんは遊びの達人』ひかりのくに

〈人さし指〉でなく、〈中指〉で糸を取っていますね。「中ゆびをうまくつかってね」と、これをポイントとしています。

 加古里子(かこ・さとし)の本書では、写真は〈人さし指〉で糸を取っていますが、遊び方の解説スケッチは〈人さし指〉または〈中指〉です。

写真とあやとりスケッチは見開きにあります。あやとりスケッチは「ふたりあやとり」の一コマ。人物Aの〈中指〉に糸がかかっています。人物Bは親指と〈人さし指〉で糸をつまんでいます。このまま進むと、Bの手に、親指と〈人さし指〉で糸が開かれます。つまり、遊ぶ手の動作に「揺れ(ゆれ)」が見られます。

 かつては〈人さし指〉で取っていたものが、今や子どもの遊んでいる場面では〈中指〉が主流になっている。なぜか……?

あやとりひもを作る

山田利行 2019.9.9記す
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