野外活動で遭遇する動物などの危険

野外は、危険がいっぱい!

 出会う可能性を考慮して、最も危険と思われるのが、スズメバチ

「クマバチ」の誤解を解く── クマバチは、おとなしい。

 5月、紫色の花が満開。この藤棚に集まる「やさしいハチ」が「クマバチ」だ。

 クマバチはおとなしいハチで、攻撃性はない。ところが、ややこしいことに、地方または人によっては、スズメバチを「くまばち」または「くまばち」と呼ぶことがある。スズメバチは時に攻撃的でこわい。「クマバチ」はこわくないけれど、「くまばち」「くまばち」はこわい、ということになる。マザーグースに登場する「まるはなばち」はおとなしいはちで「クマバチ」と同じ仲間だ。

 クマバチとスズメバチを区別した上で、スズメバチについては、人家近くでよくみられるものとして、オオスズメバチとキイロスズメバチの2種類がいる。縞模様の巣がキイロスズメバチ。
 秋10月頃、巣を分ける活動が始まると気が荒くなり、攻撃的になりやすい。オオスズメバチは木の幹、地面に近い所に巣をつくるので発見が遅れやすい。

こういう被害の様相になる。秋の山では特に危険が高まるので、下見を行って危険を避ける必要がある。

アシナガバチほか、ハチ類

 攻撃性のあるハチは、スズメバチとアシナガバチくらい。それ以外のハチはむやみに刺さない。ただし、巣を攻撃されたり、つかまれたりするなどで危険を感じれば、刺す針はもっているので刺されることがある。

 通常は、刺されても「痛い」程度ですむ(刺されるとかなり痛い)。アレルギー体質や、過去にハチにさされた体験があると抗体が出来ているなどして、重症になることがある(アナフィラキシーショック)。クマバチやミツバチなど、比較的おとなしいハチでも、こわいときは離れる程度で対応しよう。

はち
危険な場合のハチ | スズメバチ  クマバチは、危険なハチではありません。詳しくは、上のページを参照してください。 ミツバチ キボシアシナガバチ フタモンアシナガバチ  ある日の記憶── 暑い夏の午後、野外キャン...

野犬やイノシシに出会ったら

 私は、里山で何度か野犬に出会った。出会うということは、目と目が会うということだ。その瞬間、こわくて動けない。野犬の方も、出会った瞬間は驚いているためか動かない。しばらくにらみあって、その後、野犬に背を向けて必死に走って逃げた。もとの道に戻ると、野犬はいない。こわくて犬も逃げたようだ。つまり、私たち人間もコワイが、動物もコワイのだ。経験的には、スズメバチやマムシより、私は野犬が一番こわい。

 経験と多少の知識でしか説明できないが、目を合わせることは、敵対関係をあらわすことになるらしい。野猿公園では、「サルと目を合わせないでください」の注意書きがあったりする。キジやイノシシと出会う場面──彼らは人間が近くに寄っても逃げない。ぎりぎり近くまで寄ってしまったとき、キジは勢いよく羽を打って飛び出す。人間は肝を冷やす。(もっと早くに逃げてくれればよいのに)と何度も体験した。イノシシはドサッと大きな音とともに逃げる。イノシシの姿を見ることがなく、(さっきの音はなんだったか?)と推測してイノシシと気づく。運悪くイノシシと出会い頭になってしまったら、どうするか。野犬は先にあげたように体験したが、正面でイノシシに出くわした体験はない。おそらくイノシシも(しまった!)と思っているはずだ。目があってしまったあとは、にらみ合いで負けないように心を強くし、最短で逃げられるルートをみつけよう。その直後に一心不乱、尻をみせて走って逃げるしかない。けっして威嚇してはいけない。おそらくイノシシも逃げているか、ホッとしているだろう、確かめようはないが……。

マムシ・ヤマカガシ

写真の説明 / マムシ

【上】体調 約38cm 学校のベランダで発見。死んでいた。2013.6.3
【中】体長 約40cm(幼蛇か?) 明石市の住宅地で発見。自動車にひかれたと思われる。2019.10.16採取。なぜ、市街地に出現したのか不明。
【下】10円貨を並べた模様。太さも硬貨に相当。


 危険な動物の話をすると、必ずといってよいほどに「マムシ」についてきかれる。ヘビをこわがる人は多い。出会いたくないと思いながらも、ヘビに出会う。ヘビもしまった!と思っているだろうから、逃げるところを目撃することになる。ヘビは逃げている最中だから、放っておけば安全だ。
 しかし、マムシは、逃げない。木の陰、石、岩のあいだに隠れてジッとしている。じつは、人間を怖がっている。逃げ方が違うというだけ。隠れるということは、目立たない。日当たりよりも日陰。マムシは暗いところにいる。図鑑などで説明されている「頭が三角」という見分け方は素人には役立たない。
 晩秋、気温が低くなる頃、マムシではないヘビは、体温を上げるために日向ぼっこしている。あぜ道や林道、車道でからだを伸ばしている。だから、目立つし、逃げる音も大きい。
 マムシの危険を避ける方法は、マムシのいそうなところがわかるようになる必要がある。マムシの被害は農作業でのことが多く、一般のハイカーらが被害にあうことはほとんどない。ただし、テント設営などで林間をうろうろし、たきぎや石を拾う作業をするときは危険。夜は車道にも現れる。
 マムシは、かみついたら放さないのではない。飛びついても来ない。マムシは危険を感じると動かない。したがって、うっかり接近してしまい、尻尾でも踏むと噛みついてくる。50cmほどの体長なのでその状態でかまれると足もとをやられることになる。だから、農作業では長靴を履いている。ハチのように毒牙を打ちつけ毒を注入したら離れるらしい。長靴はかなり安全だ。茂みを歩いていて、イバラにひっかけたと思ったとき、もしかしてマムシを踏んづけてかまれたのかもしれない。「畑で、じゃまだった石を取り除いたら、そこにマムシがいて」指をかまれたという話を聞かされた。つまり、マムシにかまれやすい箇所は、足もと・手指ということになる。
 ちなみに、マムシにかまれた箇所を切開して血を吸えばよいとか、結束して血を止めればよいなどの俗説は絶対にしないこと。虫歯から毒が移ったり止血で壊疽を起こす。急ぎ救急の指示に従おう。
 ヤマカガシも毒蛇の仲間だが、攻撃性はない。奥歯に毒牙があり、比較的おとなしいので遊び半分で捕まえ、深くかまれると痛い目に遭う。

道に迷う危険

 人生訓のようだけど……

  1. 地図は、迷う前にみる。 迷ってからみるのは、おそい。
  2. 人の後ろを100回「連れられて」も道は覚えられないが、たった1回先導するだけで、道は覚えられる。
  3.  「行く道」と「帰る道」、同じ道でも向きが変われば景色も変わる。これはけっこう危険。解決策は、下見を十分に行うこと、これに尽きる。
思い出話 24 擬似遭難の体験
 〈擬似遭難〉とは、遭難しかけた、ということ。1970年代半ばだったと思う。場所は、兵庫県美方郡美方町(現在、香美町小代区)で。みかた自然教室のフィールドワークで、夏のある日、中学生を含む子どもにしては熟達者グループを率いた。リーダーは私一人(※引率者は複数を必須としなければな...

カメ、ザリガニなど、小動物をさわったあとは必ず手洗いをする

動物の死がい

 野外で死んだ野鳥をみつけたときは、体重を測ったり、羽をひろげたり、足の動き方を観察したりと、よい機会だった。しかし昨今は、落鳥の原因を、鳥インフルエンザを念頭におくこともあって、子どもに直接さわらせることを私はためらうようになった。
 外来生物で最も出会いやすいのはアカミミガメだ。ため池・公園の池で一番の勢力となり、管理者を悩ませている。もとを辿れば、数センチほどの幼い亀が愛玩動物として市販されていた。それらが大きくなりすぎて飼えなくなったり、逃げ出したり、池に放たれたり、その繁殖力によって自然界の池を席巻してしまった。成亀は巨大になり、獰猛でかみつくしぐさもする。

蛇を食べる蟻

泥だんご遊び、はだし保育を、どのように考えるか?

 砂場は猫などの糞が混じるとかで、不衛生でないかの声がある。では、泥だんご遊びは、どうか? 〈はだし保育〉について、私は必要と認識しているが、これの衛生をどのように捉えればよいのか?

砂場のバイ菌(藤田紘一郎)
藤田紘一郎 2004年『水の健康学』(新潮社)p15  私はこれまで、砂場が子どもの保育にとって、大変重要であることを繰り返し述べてきた。砂場にはイヌやネコの糞があって大腸菌がいるからという理由で、子どもたちを砂場で遊ばせることを敬遠する人が多い。しかし、泥んこになって遊...

新型コロナウイルス

 2019年12月、中国武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。ウイルスの伝播力に恐れおののいた。ウイルスの正体は未だ(2020.5)不明とされることが多い。乳幼児の発達保障は”遊び”がすべてとも言って良いにもかかわらず、外遊びに制限が加えられたその事実は、感染の蔓延を防ぐという理由があるにしろ、安全と引き換えに遊べないという事実をどのように受けとめたらよいのか、(今も続行中なので)無念だ。ウイルスの正体は何なのか、感染を防ぐに智恵はないのか、この思いを書き留めておきたい。

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

破傷風

 破傷風は極めて死亡率が高い。土の中には破傷風菌が常在菌としてふつうにいる。だから、とても怖い・危険なわけだけれど、生誕時にワクチンを投与されていて免疫が出来ているから特段に心配はいらない。ただし、私の場合、野外活動に専任することから再免疫のためにワクチン投与を20代に受けた。


[ 考えてみよう 1 ]

蚊に刺されないようにしてください ── 保護者の要望

 みなさんは、どう思いますか? そして、どう対応しますか? 昨今は「デング熱」の感染が報じられることにより、蚊の発生場所を減らすために、草刈りにも神経質になっている傾向があるようです。
 蚊に刺されない方法があるのでしたら、誰もがそれを実践することでしょう。しかしながら、有効な方法はなかなかありません。人体から発生する炭酸ガスを蚊が感知するということから、空気のよどんでいるところをさけて、風通しのよいところに移動すれば、蚊が寄りにくいということはあるようです。この方法では、常に空気の動きを注視していなければなりません。炭酸ガス発生装置をつかって蚊を集める機器もあります。
 虫よけスプレーには殺虫剤成分「ディート」を含むものが多くあります。安全性に不安があり、幼児に対しての使用は避けたいですね。
 蚊に刺されないようにするには、どうすればよいのでしょう? 蚊の発生場所(水たまりなど)を減らすことは有効でしょうが、田園地帯に立地していれば襲来をさけられません。私は、蚊の多いところから逃げ出すしか考えが浮かびません。

アブとブヨ

 夏にキャンプをして悩まされるのがアブやブヨでしょう。アブは近くに牛などの家畜を飼っているところがあると思われます。アブは蚊のように刺すのではなく鋭い歯で噛む。すると血が出てくる。それを、なめるのです。アブが肌に止まったら、上から叩き潰すか、追い払えばよい。
 ブヨは地方で呼ばれる名がいろいろとあるようです。深山や清流の近く、比較的自然豊かなところで出てきます。2ミリ程度で丸く小さい。その地域に住んでいる住民は免疫ができているためかさほど腫れないが、初めて刺されるとかなり腫れる。部位は熱をもち硬くなり、回復するするまでに数日かかります。
 アブもブヨも、予防は、夏でも肌を露出しない服装にすることです。

ムカデとヤスデとゲジゲジ
 〈ゲジゲジ〉は正式には「ゲジ」と一つだけです。二つ重ねて呼ばれることがふつうですね。ムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ、どれも足がたくさんあって、怖がられます。山小屋や田舎の家で寝ているとき、蒲団に入り込んできた虫にかまれた、という話を聞かされることがあります。その虫は、ムカデでしょう...
[ 考えてみよう 2 ]

以下5項目のうち、正しくないものが1つある。どれか?

  • 野外活動における動物などの危険を回避するために──
    1. 危険なハチを見分ける知識に加え、体験が必要である。
    2. イノシシに遭遇してしまったら、まずは相手をよく見、最短で逃げられる方策を考える。
    3. 動物の死骸を見つけたとき、気づかないふりしてその場を去る。
    4. カメやザリガニをさわったあとは、必ず手洗いをする。
    5. 道に迷わない秘訣の一つは、今歩いてきた道を振り返り景色を覚える。

バツは「3」

山田利行 2020.5.5更新
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